インフルエンザの手洗いは水だけでよい?その理由と効果的な洗い方を解説
2018/09/10
インフルエンザの予防手洗いには、石鹸より水だけの方がいいという《新常識》が広まっていますが、本当に効果があるのでしょうか。
昔から言われてきた手洗い方法とは真逆なので、戸惑っている人も多いようです。
そこで今回は、その理由と、水だけ手洗いの効果が上がる方法、そして本当に石鹸よりいいのかについてまとめました。
インフルエンザの手洗いは水だけの方が効果的!その理由とは
その理由は、
・石鹸の泡でもみ洗いは、かえって手にウイルスをこすりつけてしまう
というものです。
先日放映の『L4you』という日テレ番組では、「名医が教える最強の免疫術~インフルエンザの予防新常識」として、真っ先にあげられていました。
番組で解説してくださったのは、東京港区のいまづクリニック院長・今津先生です。
そのコーナーでは、
・手に墨汁をつけて、30秒間のもみ洗いと、同じく30秒間流水に当てるだけと、どちらの汚れが落ちるか
という実験が紹介されていました。
なぜ墨汁かというと、
「墨汁の粒子とインフルエンザウイルスは同じ大きさだから」
でした。7
その結果は?
もみ洗いをした手には、墨汁がかなり残っているのに対して
流水に当てるだけだった手の方が、きれいに落ちているのです。
その理由は
・目に見えない雑菌は、いくらゴシゴシこすり合わせても落ちない、
・もみ洗いでは、粒子を指紋や手のシワにこすり込んでしまう(参考:L4you)
というのです。
実際に墨汁汚れの落ち具合を見比べると、確かに説得力がありました。
ただしここでわかったのは、
・水だけの手洗いが除菌に有効といっても、ただ石鹸を使わないという意味ではない
また
・ポイントは流水、であって、洗面器などに貯めた水ではない
ということです。
それはそうですよね、貯めた水では、せっかく洗い流した菌やウイルスが、また手についてしまいますから。
次に知りたくなるのは、こんなことです。
手洗いが流水のみの場合、効果が上がる方法は?
これは洗う時間によるのですね。
先の実験でもわかる通り、手にさっと水を流すだけでは、除菌効果も上がらないのです。
では具体的に比較してみましょう。
手洗いが流水のみ、除菌に必要な時間は?
結論を言うと、60秒間が適切な時間です。
これもまた、比較データが出ていました。
以下、番組で出たテロップです。
(引用)
手洗い時間による除菌効果
時間 除菌率
10秒 55.7%
30秒 65.5%
60秒 76.0%(引用ここまで、『L4you』より)
60秒って、けっこう長いですよね。
しかもその間、蛇口から水を出しっぱなし。
ああ、水がもったいないと言われそう。
と思ったら、出演タレントさんたちからも、同じ声が出ていました。
これに対して、今津先生は
「短時間ですませるためには、水量を多くしてバーッと流してください」
とおっしゃっていましたが、
これはこれで、やっぱり水がもったいないと思ってしまいます。
それでも、インフルエンザに感染するリスクよりはいいのでしょうけれど。
庶民としては、ちょっと複雑な思いです。
でもここでまた、こんな疑問がわきませんか?
インフルエンザ予防手洗いに、石鹸を使うのは意味がない?
今津先生によれば、
・手をこすると言っても、石鹸を使うときは
「泡立てる」という意味がある
そうですよね!
番組のこすり洗いでは、石鹸を使っていませんでした。
でも
石鹸の泡には、インフルエンザウイルスの表面を不活性化して、洗い流す働きがありますから。
それと同時に、油性の汚れも落としてくれますし。
実生活では、手にはウイルスや雑菌だけでなく、色々な汚れもついています。
番組での実験のように、きれいな手にウイルスだけついている、という状態は少ないでしょう。
あの実験にしても、墨汁をつけた手を石鹸で洗ったら、汚れももっときれいに落ちるはずですから。
(実際そうですよね?)
というわけで、実際の生活上では、インフルエンザ予防の手洗いには、やはり石鹸を使った方がいいでしょう。
水では落とせない油汚れの中にも、菌やウイルスは存在しているかもしれませんし。
でも石鹸手洗いも、正しい方法を守りましょうね。
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