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季節の行事

ひな祭りの甘酒が持つ意味や由来、白酒との違い、子供や妊婦は大丈夫?

2018/03/02

ひな祭りには甘酒や白酒がつきものですが、酒とつくのになぜ子供も、(というか子供が)飲むのでしょうか?

ひな祭りの時期、外出先や親せきで子供に甘酒をすすめられたら、親の立場としては心配になってしまいますよね。

時には「体にいいから」といって、妊婦の奥様にもすすめられたりして。

そんな親御さんのために、なぜひな祭りで甘酒や白酒を飲むのか、その意味や由来についてまとめました。

ご心配な方はぜひお読みになってくださいね。

これまでの疑問がばっちりわかって安心しますよ。

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ひな祭りに甘酒を飲む意味は?どんな由来があるのですか?

ひな祭りに甘酒や白酒を飲むのには、こんな願いが込められています。

・子供の子供が病気や事故、その他の災難にあわずに無事に育つように

 

子供、と書いたのは、古くは男女の性別を問わなかったからです。

もともと、ひな祭り自体が、上の意味が込められていたからですね。

 

でもはじめは、ひな祭りには甘酒でなく、白酒が飲まれていたのです。
その時期は、江戸時代中期から後期にかけて。

ひな祭りに白酒が飲まれるようになった由来とは?

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2つの説があります。

ひとつは、

言い伝えに基づく説

・大蛇をお腹に宿してしまった(妊娠してしまった)女性が、その難を逃れるため(流産するため)に、3月3日に白酒を飲んで流産させた

ということから、悪い子を産まないために飲むようになった、という言い伝え。

これはネットでよく見かける説ですが、こう思いませんか?
「じゃあなんで、その女性は大蛇の子を宿すことになったのよ?」

私はたまたま、昔の伝説や言い伝えには興味があったのですが、確かにそのような昔話は聞いたことがあります。

そこで改めて確認したところ、神道学者の三橋健先生という方が、お祖母さまから聞いた話として、次のように書いていらっしゃいました。

日照りに苦しんだ男が、「雨を降らせてやる」と言ってきた大蛇への代償として、末娘を嫁に出した。
末娘はしばらく大蛇と暮らしていたが、大蛇が淵で水浴びしているとき、隠し持っていた千本の針を水に放って殺して逃げてくる。

末娘は、大蛇の最期のことば、「自分はこの世からいなくなるが、嫁はすでに自分の子を身ごもっている。3月3日に白酒を飲めば流れるが、そうしない限りは大丈夫だ」を聞いていたため、大蛇の子を産むという難を逃れることができた。

(参考:ひな祭り──白酒の由来と「異類婚姻譚」

もう一つの説は、

桃花酒と豊島屋説

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やはり江戸時代に、中国から伝わった「桃花酒」が元になっている、という説です。

桃花酒とは、その名の通り桃の花弁を浮かべたお酒のこと。

桃には長寿と邪気を祓う働きがある、とされることから、3月3日の節句に飲まれていたのです。

ひな祭りの白酒が広まったのは、神田猿楽町の『株式会社豊島屋本店』が売り出して以来です。

なんでも、当時の店主が夢で見た通りに作った白酒ができがよくて、ひな祭りに売り出したら好評だった、とのことですよ。

 

実は当時、女性がお酒を飲む機会はめったになかったのです。

そこへ甘味と粘りで口当たりのよい白酒は、まさにツボをついた形でヒットしたのでしょうね。

 

2つの説のどちらが本当なのかについては、わかりませんが

私としては、歴史的に桃花酒⇒豊島屋本店の流れに、確実性を感じてしまうのですね。

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大蛇の子説は、同様の言い伝えは全国にあるのです。(三橋先生の場合、おばあ様は金沢の方でした)
ですので、伝説としては古くからあるのでしょうが、歴史的には平安時代や室町時代ではなく、江戸時代あたりからではないかと推察しているんです。

もしかしたら、江戸時代とか。
三橋先生のお話からすると、少なくとも明治時代にはあった説のようですが。

まあ言い伝えのほうが、自然への怖れやロマンを感じるのは確かですが。

ひな祭りに甘酒が白酒に替わった理由とは

それは、ひな祭りで子供が飲んでも大丈夫なように、と言われています。

大丈夫なように、とは、法律的な意味なのか、健康的な意味なのかまでははっきりしません。

ただほんの数十年前までは、甘酒でなくて本物の白酒を子供に飲ますことも、そんなに珍しくなかったのですね。

 

私自身も、子供のころ一度だけ飲まされたことがあったのは、たぶん白酒だったかと思います。
味は・・・とても子供向きとは言えない味でした。

個人的には、

・法律的な意識が高まったからではないか、ということと、

・甘酒の方が子供に受けるためと、

両方ではないかと思っています。

ひな祭りに飲む甘酒と白酒は同じもの?違うもの?

甘酒と白酒、同じものとお思いの方も多いですが、この二つは別物です。
どう違うかというと、原料も製法も違うのです。

 

★白酒★
蒸したもち米に、同量以上のミリン(もしくは焼酎に米麹)を数週間寝かせて、石臼で引く
できた白酒はアルコール度数12度と、かなりのアルコール分を含んでいる

家庭では作れない。製法以前に、法律違反になってしまう。

 

★甘酒★には次の2種類あります。

1)酒粕をお湯で溶いて、砂糖を加えたもの
2)うるち米かもち米を米麹で酵させたもの

市販でよく見かける森永の赤い缶は、1)の酒粕を原料としています。

酒粕を原料とした甘酒のアルコール度数は、1%ほど。
この程度のアルコール度数では、法律上は清涼飲料水として扱われます。

 

2)のタイプは、米麹で発酵、といってもコメのデンプンが発酵によって、糖分に替わるだけ。
そのためお米と米麹から作った甘酒は、甘味が強いのです。
一晩でできるため、「一夜酒」の別名がありますが、アルコールは含まれません。

発酵の過程で乳酸菌が働くため、独特の風味を感じることもあります。

ちなみに、現在『飲む点滴』として、ビタミン類など栄養豊富で注目されているのは、こちらの甘酒です。

美肌やダイエット効果など、テレビや女性誌でもたびたび取り上げられていますよ。

ひな祭りに子供が甘酒を飲んでもいい?妊婦は?

ここまでのお話で、見当がついた方も多いでしょうね。

基本的には、子供も妊婦も「大丈夫」です。

その理由は、甘酒のアルコール分は1%と非常に低いため。
これが問題になるとしたら、お料理にミリンも使えなくなってしまいます。

ただし注意が必要なのは

アルコールに過敏な体質である場合

日本人は、遺伝子的にお酒に強くないのです。
お酒に弱い人は、盃1杯で即、意識不明になる方もいらっしゃるくらい。

ですので、お子さんのご両親のどちらかの家系が、アルコールに弱い方が多い場合は、気を付けた方がいいですね。

あとは、美味しいからと言って飲み過ぎないことです。
特に米麹から作る甘酒は、糖分が多いので、ひな祭りの時だけといっても油断は禁物です。

甘酒の味は、今どきのお子さん受けする味ではないかもしれませんが、好みによりますので、親御さんは気を付けましょう。

逆に、甘酒好きなお母様は、ひな祭り以外でも飲み過ぎて、太ってしまう心配がありますね。

どうしても心配な場合は、代わりにカルピスを用意してあげましょう。

(幼稚園でも、代わりにカルピスを用意するところもありますので)

まとめ

ひな祭りの甘酒や白酒について、意味や由来、2つの違い、いかがでしたが?

ここまでお読みになった方は、ほとんどの場合、お子さんが飲んでも心配ないことがおわかりになったかと思います。

あなたのお子さんが大丈夫そうでしたら、ぜひ美味しい甘酒で、大人も子供も楽しいひな祭りにしましょう。

くれぐれも、飲みすぎには気をつけてくださいね。(大人の方に注意が必要かも)

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