七草粥はいつからあるの?由来や歴史、食べる理由を探ってみよう
2017/11/19
1月7日に食べる七草粥って、いつからあるのでしょうか。
これを食べなければ、お正月が明けた気分にならない。
そんな方も多いでしょう。
でも、七草粥の起源や由来については、意外と知らなかったりします。
七草粥を食べる理由も、元々はどうだったのか気になりますよね。
七草粥はいつからあるの?
七草粥の歴史は古く、平安時代には宮中行事として、旧暦1月7日に食べられていました。
(※1月15日の小正月、という説もあります)
面白いことに、
お粥にも7種類の穀物が入っていた、とされていますよ。
その7種類とは
・米、粟(あわ)、キビ、ヒエ、みの、ゴマ、小豆
です。
その七草粥は、室町時代から江戸時代にかけて、武家から町人へと、一般に広まっていったのですね。
特に、幕府が五節句を公式の祝日
中には、室町時代に足利家から始まった、という説もあるんですよ。
七草の種類、「セリなずな、ゴキョウ、はこべら、ホトケノザ、すずな(カブ)、スズシロ(大根)」
については、南北朝の本には記されています。
七種粥の由来や起源は?
実は、七種粥の起源はもっと古いとされていますよ。
古代中国の「七種菜羹」と考えられているのです。
七種菜羹とは、当時の五節句の最初の行事で食べられた、7種類の野菜のあつものです。
その起源は、紀元前1152年から1056年の、周の文王の時代にあると推測されています。
古代中国では、旧暦1月7日は『人日(じんじつ)』として、人を殺さない日としていました。
同時に、その日は七種菜羹、としていたのです。
あつもの、とはとろみのある温かいスープ、だと考えてくださいね。
これは道教の考えに基づく風習なんです。
(道教とは、老子の教えが元になった民間信仰だと考えてください)
ところで
人を殺さない、とは当たり前じゃないかって思いますよね。
その意味は「人を処刑しない」なんです。
実は当時の慣習では、1月1日から6日まで、牛や豚などの家畜を食べない日とされていたのです。
その理由は、それらの日は、それぞれの家畜に感謝をする日だったから。
その日には、該当する家畜に良い食べ物を与え、殺さず食べず、としていたのですね。
そして7日目が最後で、人の日。この日は人を処刑しない、となっているのです。
この7という日数は、聖書の天地創造(神は天地創造の最後、7日目に瀕源を作った)と共通点があるような気がするんですよね。
というか、7という数字に意味があるのでしょうね。
ではなぜ、その日に野菜を食べることに結びつくのでしょうか。
七草粥を食べる理由、古代中国ではどうだった?
これはなかなか資料がありませんでしたが、こんな説もありましたよ。
つまり、1月7日は作物へ感謝する日で、そのために7種類の野菜を食べたのだとか。
ちなみに、1月8日は穀物の日として、穀物への感謝として、穀物を食べないのです。
なのでその前日、7日には7種類の穀物を食べる。
という説です。
これは、動物性も植物性も、食べ物一通りを含んで納得してしまいます。
ただ、ですよ。
7日目以外は、家畜や穀物への感謝を表すために食べないじゃないですか。
それなのに、7日目は作物への感謝として7種類の野菜を食べる。
これって、7日目だけ逆ですよね。
なので私は、これは少し疑問を感じるのです。
さて、一方の日本です。
七草粥と結びついた日本の風習とは?
当時の小正月、つまり旧暦1月7日に、野草を摘んで食べる習慣もあったのです。
これはつまり、若菜摘みという、季節の風物でもありました。
小倉百人一首にもありますよね・
「君がため 春の野に出で若菜摘む」という歌。
日本の七草粥は、この中国から伝わった風習と、若菜摘みが合わさってできたと考えられているのです。
でもちょっと待って。
「春の野」って、1月初めでしょ?季節がおかしくない?
というツッコミが聞こえてきそうです。
いえ、おかしくはありません。
なぜなら、旧暦1月7日は、現在の新暦でいうと約2か月遅いのです。
なので今の時期にあてはめると、3月7日あたりですから。
その七草粥、実はいったん廃れた時期がありました。
それは1873年、五節句が廃止されてからです。
七種粥、今は全国的に1月7日近くになると、スーパーでパック入りになって売られていますね。
こうなったのは昭和40年代以降のことで、ビニールハウス栽培が普及してからなんです。
まとめ
七草粥はいつから食べられてきたのか、由来や歴史についてお伝えしました。
思っていたより古い起源だと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今は、お正月のごちそう続きで疲れた胃腸を休め、ビタミンミネラルを補給してくれるとされている七草粥。
食べ物への感謝を込めて頂きたいですね。
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